今回の記事では、HDR-PJ760Vの「シネマトーン」画質について、ノーマルのビデオトーン画質と比較しながら色々と書かせて頂きたいと思います。
HDR-PJ760Vは、EOSで言うところの「ピクチャースタイル」を2種類持っています。
それがシネマトーンとノーマルのビデオトーンです。
シネマトーンというと、過剰に映画っぽい画質を演出したお遊び機能だと誤解される方もいらっしゃると思いますが、そうではなくて、主力機能となります。
EOSにおける「忠実設定=シネマトーン」「スタンダード=ビデオトーン(ノーマル)」だと考えると良いんじゃないかと思います。
具体的にどんな画質になるのか、1920/60pハイビジョン映像から切り出した静止画にて見ていきたいと思います。
雨降りの中、傘をさしながら、パジェロミニを手前に置いて山を撮影してみました。
シネマトーンは、コントラストが下がる感じで、遠景の雨で煙る階調が良く出ています。
ビデオトーンは、くっきりした色合いで、全体が元気良い感じですね。
優劣というより、どっちが好みなのかという世界ではあります。
今度は、やはり雨の中で傘をさしながらという条件ですが、観光地の遊歩道の林にて撮影してみました。
PSVITA(プレイステーション・ヴィータ)に、タイトル識別の役目をしてもらいました。
シネマトーンとビデオトーンを比較すると、ビデオトーンの方が緑が鮮やかで派手なので、その場の雰囲気を忠実に出したい場合はシネマトーン、たとえば新緑や紅葉の鮮やかさを強調したければビデオトーンという使い分けが考えられますね。
■EOSムービーのように画質を使い分けるカメラ■
シネマトーンとビデオトーンは、決して優劣を語るものではなく、好みで使い分ける画質切り替え機能でしょうね。
使い分け面倒臭い!と思われるかも知れませんが、HDR-PJ760Vは、液晶モニタの左側に縦3つ好きな機能を割り当てたボタン「マイボタン」を表示しておける強みがあります。
ここにシネマトーンON/OFFを割り当てておけば、まるでプロ用ハイビジョンカメラや、EOS 7Dのように、ワンタッチでの切り替えが可能であるため、切り替えそのものは苦になる事ではありません。
また、シネマトーンとビデオトーンは、大幅に感じが変わるという極端なものではないため、どちらにしても使いやすいように設計されていると感じています。
強いて言えば、「ビデオトーン=今までの万人受けする画質の継承者」「シネマトーン=実は開発者が長年家庭用小型ビデオカメラでやりたかった画質」ではないか? という気がします。
HDR-PJ760Vは、全体的に「身体が小さいから、センサーが小さいからしょうがない」という言い訳を一切せず、かつてパナソニックNV-DJ100が、小さい身体でありながら、大型ビデオカメラに言い訳なしの真っ向勝負を挑んでいたあの熱い世界が、長い時間をかけてついに戻ってきたのだと感動しています。