本日も発熱で朦朧とする中、布団の中から記事を書かせて頂いております。
さて、次から次へとカメラの技術を進化させ続けているソニーですが、あの小型カメラに革命をもたらした「裏面照射CMOS(Exmor R)」の興奮がさめやらぬうちに、新たなる革新的センサー「積層型CMOS」を発明。800億円を投資して一気呵成に供給量を増加するようです。
積層型CMOSとは、平たく言うと、裏面照射CMOSにおいて今まで画素を邪魔していた回路部分を裏側によけてしまって、その分、画素を広々と使う技術。
その原理の実現だけにとどまらず、積層型CMOSには、センサーをより感度アップさせる「ホワイトの画素」が配列されているのも特長です。
また、センサー自体にHDR(ハイ・ダイナミック・レンジ)撮影機能を持たせてあるため、従来ならジャイアントタイプのハンディカムの1/3型3センサーでも無ければ困難だった明暗差の表現も、小型カメラがやってしまえる事になっちゃうみたいですね。
私の愛用する、世界初の裏面照射CMOS搭載ハンディカム「HDR-XR500V」は、初号機だけあってまだ性能が控え目だった(最低被写体照度が11ルクス)わけですが、それでさえも、十分な基礎感度があるため写真機としても立派に使えております。
以下は、HDR-XR500Vで撮影した写真です。
HDR-XR500Vの画素数は、ご存知の通り1/2.88型の約600万画素。
屋内での自然光でも満足行く画質が得られる基本性能の高さを持っています。
現在用意されている積層型CMOSは、1/3.06型で1300万画素と、1/4型で800万画素。
ビックリするくらい画素数を増やしているので、せっかく高感度になった分を相殺していないか??ちょっと不安になるレベルではありますが、テストしてOKを出しているのだろうし大丈夫なんでしょうね。
1/2.88型裏面照射センサーは、購入当日から気がついて大喜びしていましたが、HDR機能が搭載されていなくとも、小型センサーとは思えないくらい明暗差には強いものがあります。
このあたりは、おそらくセンサーだけでやり遂げられる話ではなくて、映像エンジンBIONZがいかに優秀かという話でもあるわけです。
写真の画質的な話をすると、色ノイズは除去するけれども、輝度ノイズは残すロジックになっているようで、一見して荒れがあるけれど、その代わりディテールをグチャっと潰したりせずに良く出していて風景写真もかなり頑張れるという美点があります。
ソニーは、現在の裏面照射型CMOS同様に、積層型CMOSも積極的に外販するのですが、画質は映像エンジンBIONZの有無で結果が大きく変わるため、センサーを買ってポン積みしただけでは怖くなく、他社とのカメラ競争に問題なしと計算してるのかな?
■どうなるナイトショット■
ソニーのハンディカムと言えば、光量が完全ゼロの真の暗闇でも撮影が可能な「ナイトショット」機能が心強いです・・・というか、この機能が無いカメラを買うのは、心細い気がしている程です。
何度も書かせて頂いておりますが、やはり、あの東日本大震災の引き起こした暗闇の中、ナイトショットによって探し物や建物の修繕などが行えた感謝って尽きる事がありません。
今も高熱で布団に包まっている私ですが、布団の中も軽く撮影出来てしまうナイトショット。
積層型CMOSによって、それほどまでに高感度化が達成されるなら、ナイトショットの画質はどうなるんだろう??
ちなみに、HDR-PJ760Vが欲しいのですが、積層型CMOS搭載モデルを待ってこのカメラを追うのをあきらめるか?と問われれば「いや、あきらめたくない」です。
ぶっちゃけた話、HDR-XR500Vでも画質的にはドンドン新しい発見があって満足しているし、さらなる高画質化を達成したHDR-PJ760Vがあれば、もう御の字も御の字。
デジカメ黎明期のようなワクワク感があるのがHDR-PJ760Vです。
それに、積層型CMOSが、裏面照射センサーExmor Rに匹敵するほどの革新的センサーであれば、「また買う」という禁断の荒業も禁断じゃなくなるかも知れないし。