2019年1月19日土曜日

EOS KISS MにSIGMA 30mm F1.4 EX DC HSMレンズを装着してみる

今やもう押しも押されもしない私のナンバーワンカメラになっているEOS KISS Mですが、いよいよSIGMA 30mm F1.4 EX DC HSMレンズを装着してみました。


↑EOS KISS Mの持つ先進の機能を100%引き出す「EF-M 15-45mm F3.5-6.3 IS STM」「EF-M 55-200mm F4.5-6.3 IS STM」の2本のレンズばかり使っていましたが、マウントアダプター「EF-EOS M」を使うと、EF/EF-S(+互換レンズ)レンズが使えるのはご承知の通り。

今回はいよいよLレンズに迫る素晴らしい描写力を持つけれど、キヤノン一眼レフとの相性が極めて悪い暴れ馬「SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSM」を装着してみました。


↑マウントアダプター「EF-EOS M」を取り付けたEOS KISS Mですが、清楚でおしとやかなEOS KISS Mが一転、とてつもない迫力のカメラになりますね。

マウント経がなんと本体をはみ出す巨大さで、生半可な迫力ではありません。

体の大きな一眼レフやフルサイズミラーレスにはない、小型ボディカメラならではのケレン味が良いですねぇ。


↑SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSMを装着!

EOS KISS Mの小型ボディは、あらゆるレンズを引き立てて立派に見せる効果がありますが、元々迫力のあるSIGMA 30mmを装着すると大変な事になります。

なんかこう、85mm F1.4でしょ??と思えてしまう。


↑体の大きな一眼レフだと、よほど巨大レンズを装着しないと、システムとしては逆に貧相に見えてしまうのですが、EOS KISS Mだと、巨大レンズなど全く必要とせず、既にSIGMA 30mmで遥かに上のド迫力を楽しめます。

EF-Mは、美学として全レンズの径と質感を統一しているため、このぶっ太い迫力はEF/EF-S(と社外品)に求めるしかありません。


↑レンズフードを装着すると、ますます迫力に磨きがかかりますね。

ちなみに、このレンズは、表面に石造りのようなテクスチャをコートした独特の質感があります。

経年劣化で剥離する事から、今はもうシグマはやめている質感なのですが、今の流行の冷酷な単一黒仕上げよりも、こっちが断然好き。

ゴールドラインと石造りテクスチャの組み合わせは、ザ・シグマです。


↑EOS KISS Mに装着すると、さすがにややフロントヘビーになりますが、本体がとても軽いため全体的に不快にはならず、レンズを左手で支えると収まりも良いですね。


↑SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSMは、とにかくキヤノン一眼レフとの相性が悪く、AFは合焦したと思わせて大きくズレていたり、かと言ってジャスピンになったり、調整に出そうとしたら「良かったり悪かったりするから、調整するともうグジャグジャになるからやめよう」とお店の詳しい方に説得されて調整しなかった過去があります。

ただ、あの一眼レフの名機「EOS KISS X7」の誇る、キヤノン・ミラーレス黎明期テクノロジー「ハイブリッドCMOS AF2」だと、速度は遅いがAFは正確という実績があり、とにかく像面AFには強い印象。

では、キヤノン・ミラーレスの真打「デュアルピクセルCMOS AF」だとどうなるのか??


■描写は一流、AFはやはり厳しい

↑朝の街歩き撮影にて、SIGMA 30mm F1.4 EX DC HSMと、デュアルピクセルCMOS AFとの相性を確認してみました。

絞り開放F/1.4で撮影。

まず、100%の性能を引き出すEF-Mレンズと比較してはだめですが、AFは音が大きいですね。

スーッ、ココン!コッ!と動作音が目立ちます。

ただこれはしょうがないし、音が出るという事そのものは問題はないと思います。


↑絞り開放F/1.4で撮影。

ただ、気になるのが、やっぱりEF-Mと比較してはいけないのでしょうが、AFが微妙に合焦しにくい・・・

スーッ、ココッ、コッといつまでも音を立てて、AFを合わそうと努力するのですが、結局AFが合わずに動作を止めてしまう事が多いです。

もちろん比較対象がEF-Mなので、さすがにハードルを高くし過ぎているとは思います。

画質は文句なしに素晴らしいです。


↑絞りF/5.6です。

なかなかAFが合わないので、フルタイムMFに移行するわけですが、EF-Mレンズのようにピントリングを動かした時に即ファインダー像が拡大されて精密なピント合わせを支援する・・・という動きは出来ないです。

これは、SIGMA 30mmは、APS-C用レンズではあっても、規格はあくまでもEFレンズを模してあるためで、EFレンズもリアルタイムファインダー像拡大連動は出来ないです。


↑SIGMA 30mmは、ファインダー像を拡大するために、一旦「田」ボタンを押し、モードに入り、そこで電子ダイヤルを回すと拡大する・・・という2つの手順が発生します。

ピントリングを動かすだけで拡大が連動するEF-Mレンズはやっぱスゲェなぁ・・・(EF-Sレンズも全種類かどうかは分からないですが、EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS STMは連動します!)。


↑ただ、SIGMA 30mmは、EVFを持つEOS KISS Mで生きてくると思います。

一眼レフだと、ピントが合っているのか合っていないのか分からないため、結局はミラーレス撮影モードで使うため、そういう話であれば、ファインダーに接眼して撮れるEOS KISS Mが良いからです。

ただ、いっこうにEF/EF-Sレンズの利用が進んでいない理由が自分なりに整理出来ました。

やはり、EF-Mレンズはとてつもなく快適なんです。

レンズ設計の歴史を一度リセットして、ミラーレスに徹底的に合わせた新世代レンズ。

本来ならばEOS Rシステムと同格のはずなのですが、キヤノンのミラーレスの本気度が疑われる中での、明らかな一眼レフより格下扱いの展開、そもそも技術を開発しながらの展開と、なかなか開拓者ならではの苦労を背負わされたシステムではありますが、今になってその高い価値に気が付いて驚かされるばかりです。